オルカンのリスク許容度の目安は?過去の下落率と暴落時の損失を解説
- リスク許容度とは「どれだけの損失に精神的・経済的に耐えられるか」の度合いのこと。
- オルカンのような全世界株式は、過去の暴落局面で高値から半値近くまで下がったことがある。
- 目安を決める順番は、生活防衛資金の確保→投資期間の確認→毎月の積立額の決定。
- 為替ヘッジなしのオルカンは、株安と円高が重なると損失が膨らむ点に注意が必要。
- 狼狽売りを防ぐ最大の対策は、暴落を前提に積立額と資産配分をあらかじめ決めておくこと。
オルカン投資におけるリスク許容度の目安とは

リスク許容度の目安は、生活防衛資金を除いた「当面使わないお金」を、最大で4〜5割減っても売らずに持ち続けられる範囲に収めることです。
これは私自身が新NISAを一巡させて実感したことでもあります。数字の理屈より先に、まず自分の生活が崩れない金額かどうか。ここを外すと、暴落時にどんな理論も役に立ちません。
リスク許容度とは何かをわかりやすく解説
リスク許容度とは、資産が値下がりしたときに、生活面でも気持ちの面でも耐えられる損失の大きさのことです。
投資でいう「リスク」は「危険」ではなく「価格のブレ幅」を指します。上にも下にも動く振れ幅のこと。オルカンのような株式中心の商品は、このブレ幅が大きい代わりに、長期の期待リターンも高くなります。
つまりリスク許容度が高い人ほど大きなブレに耐えられ、株式の比率を上げられる。低い人は、値動きの小さい債券や現金の比率を増やして守りを固める、という関係です。
オルカンで押さえるべきリスク許容度の考え方
オルカンは全世界の株式に丸ごと投資する商品なので、値動きは「世界株全体の景気」にほぼ連動します。
分散はよく効いていますが、それでも中身の6割前後は米国株です。だから米国が大きく崩れると、オルカンも一緒に下がる。国を分散していても「株式である」というリスクは消えません。
加えてオルカンは為替ヘッジをしていません。円高が進むと、現地の株価が横ばいでも円換算の評価額は目減りします。株安と円高が同時に来る局面が、いちばん資産が縮む場面だと覚えておくといいです。
結論:まず生活防衛資金と投資期間で目安を決める
目安を決める順番は、①生活防衛資金の確保 ②いつ使うお金かの確認 ③その残りをオルカンへ、という流れが分かりやすいです。
生活費の半年〜2年分を現金で残し、5年以上使わないお金だけを株式に回す。この2つを守るだけで、暴落時に「生活のために売らざるを得ない」という最悪の事態はかなり防げます。
オルカンの過去の下落率と暴落時に何割下がるか
全世界株式は過去の代表的な暴落局面で、高値からおおむね5割前後まで下落した実績があります。
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の設定は2018年で歴史が浅いため、ここでは同じ全世界株の値動きを長く追える指数「MSCI ACWI」の過去局面を参考にします。オルカンはこの指数に連動する設計です。
オルカンの過去の最大下落率(ドローダウン)
全世界株式が過去に経験した主な下落局面は、いずれも数割規模の値下がりでした。
リーマンショック(2007〜2009年)では世界株全体が高値から半値近くまで沈み、コロナショック(2020年2〜3月)では約1か月で3割超の急落が起きました。ドローダウンとは、高値からどれだけ下がったかを示す言葉です。
| 局面 | 時期 | 下落の規模感 |
|---|---|---|
| リーマンショック | 2007〜2009年 | 高値から半値近くまで下落 |
| コロナショック | 2020年2〜3月 | 約1か月で3割超の急落 |
| 2022年の調整 | 2022年 | 年間で2割前後の下落 |
正直に言うと、具体的な下落率のパーセントは指数の通貨ベース(円・ドル)や測定期間で変わります。だから私は「暴落では半値近くまで覚悟する」というざっくりした前提で積立額を決めています。細かい数字より、この覚悟の有無が効きます。
暴落時に想定される損失額のシミュレーション
評価額が5割下がると、1,000万円は500万円に、500万円は250万円になります。金額に置き換えると恐怖の実感が湧きます。
| 投資額 | ▲30%のとき | ▲50%のとき |
|---|---|---|
| 100万円 | 70万円 | 50万円 |
| 300万円 | 210万円 | 150万円 |
| 500万円 | 350万円 | 250万円 |
| 1,000万円 | 700万円 | 500万円 |
この表を見て「500万円が250万円になっても、生活は困らないし売らない」と言い切れる金額が、あなたのリスク許容度の上限に近いです。
過去の暴落からの回復期間の目安
全世界株式は過去の暴落後、おおむね数年で高値を回復してきました。ただし回復までの年数は局面によって差があります。
コロナショックは金融緩和もあって半年ほどで戻りましたが、リーマンショックからの本格回復には数年かかりました。つまり「5年以上使わないお金」という条件は、この回復期間の実績から逆算した目安でもあります。
自分のリスク許容度を数値化する自己診断チェックリスト
リスク許容度は「年齢・収入の安定性・家族構成・生活防衛資金・投資経験・お金を使う時期」の6要素で、ある程度まで数値化できます。
感覚だけで決めると、上げ相場では強気に、下げ相場では弱気にブレます。私は自分でスコア化してから、相場に左右されにくくなりました。以下は私が使っている簡易版です。
年齢・年収・家族構成でみるスコアリング
投資できる期間が長く、収入が安定し、扶養する家族が少ないほど、リスク許容度は高くなります。
| 項目 | 高い(2点) | 中間(1点) | 低い(0点) |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 20〜30代 | 40〜50代 | 60代以上 |
| 収入の安定性 | 安定・共働き | 一般的な会社員 | 不安定・単一収入 |
| 家族構成 | 独身・扶養なし | 配偶者のみ | 子ども・親を扶養 |
| 生活防衛資金 | 2年分以上 | 半年〜1年分 | ほぼ無い |
| 投資経験 | 暴落を経験済み | 少しある | 初めて |
合計8点以上なら株式比率高め、4〜7点なら債券や現金を混ぜる、3点以下なら少額から慣らす。私の場合はここで6点で、株式に全振りせず現金クッションを厚めに残す判断にしました。
生活防衛資金の確保額と投資に回す資金の切り分け
生活防衛資金の目安は、会社員なら生活費の半年〜1年分、自営業や単一収入なら1〜2年分です。
これは病気・失業・急な出費に対応するためのお金で、投資とは別の口座に置くのが鉄則です。ここを確保してから、余ったお金だけをオルカンへ。順番を逆にすると、暴落と失業が重なったときに最悪の値段で売る羽目になります。
投資経験・お金を使う時期の確認
そのお金を使う時期が近いほど、株式に回してはいけません。
3年後に住宅の頭金として使うお金を株式に入れるのは危険です。暴落と使う時期が重なれば、回復を待てずに損切りするしかなくなる。使う時期が読めるお金は現金や短期の債券で、時期が読めない老後資金はオルカンで、と分けて考えます。
リスク許容度別の毎月積立額とポートフォリオの目安

リスク許容度別の目安は、高い人はオルカン中心、低い人は現金・債券を厚めにして株式比率を下げる配分にすることです。
積立額そのものより、「暴落しても続けられる額か」が大事です。無理な満額よりも、下がっても淡々と積める額のほうが最終的に残ります。
リスク許容度が高い人・低い人の積立額の例
積立額は「暴落で半分になっても生活と気持ちが揺らがない額」を上限にします。
| タイプ | 株式(オルカン) | 現金・債券 | 積立スタンス |
|---|---|---|---|
| 高い(若手・独身) | 80〜100% | 0〜20% | 余力の範囲で多めに |
| 中間(子育て世代) | 50〜70% | 30〜50% | 無理のない定額で継続 |
| 低い(退職前後) | 30〜50% | 50〜70% | 取り崩しを見据え守り重視 |
私は今、中間タイプの配分に近い形です。株式を厚くしたい気持ちはありますが、暴落時に現金があると「むしろ買い増せる」余裕が生まれる。この安心感が積立継続の燃料になっています。
オルカン一本と債券・現金・ゴールドを組み合わせた比較
オルカン一本は伸びしろが大きい反面、下げも大きい。債券や現金を混ぜるほど、下落は浅くなる代わりに上昇も鈍くなります。
| 構成 | 暴落時の下げ | 期待リターン | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| オルカン100% | 大きい | 高い | 期間が長く耐えられる人 |
| オルカン+現金 | 中程度 | 中〜高 | 暴落で買い増したい人 |
| オルカン+債券 | やや浅い | 中程度 | 値動きを抑えたい人 |
| オルカン+ゴールド少量 | 分散が効く場面あり | 中程度 | 下げ局面の保険が欲しい人 |
正直に言うと、ゴールドは万能ではありません。株と一緒に下がる時期もあります。私は「保険」として1割以下に留めていて、主役はあくまでオルカンと現金です。
為替リスク(ヘッジなし・円高局面)への備え
オルカンは為替ヘッジなしのため、円高が進むと現地株価が同じでも円換算の評価額は下がります。
円安のときは為替が評価額を押し上げてくれますが、逆もある。ここへの一番の備えは、円で持つ生活防衛資金です。円高局面では現金の価値が相対的に効いてくるので、株と現金を両方持つこと自体が為替の分散にもなります。
年代・ライフステージ別のリスク許容度と見直しどき
リスク許容度は固定ではなく、独身・子育て・退職前後というライフステージで見直すのが基本です。
収入・支出・使うお金の時期が変われば、耐えられる下落幅も変わります。年に1回、または家族構成が変わったタイミングで配分を点検すると良いです。
独身・子育て・退職前後で変わるリスク許容度
独身期は投資期間が長く高めに、子育て期は支出増で中程度に、退職前後は取り崩しが近づくため守り重視に振るのが一般的な流れです。
特に退職の5〜10年前からは、株式比率を少しずつ下げておくと、退職直後の暴落に巻き込まれるリスク(使い始めと暴落が重なる不運)を減らせます。
新NISA枠でオルカンに投資する際の枠の使い方
新NISAは年間360万円まで、生涯で1,800万円まで非課税で投資できます。ただし枠があるからと満額を急ぐ必要はありません。
リスク許容度が低いなら、つみたて投資枠でオルカンを月コツコツ埋めるのが合っています。許容度が高く余力があれば、成長投資枠も併用してペースを上げる。枠は一度売っても翌年に復活するので、慌てて埋めるより「続けられるペース」を優先します。
出口戦略(取り崩し期)での考え方
取り崩し期は、暴落時に一気に売らないよう「定率」か「定額」で少しずつ引き出すのが基本です。
