オルカン含み損はどうする?損切りとホールドの判断基準を解説
- オルカンの含み損は、株価の下落と円高の両方で起きる。
- 長期積立なら含み損は一時的になりやすく、狼狽売りが一番損をしやすい。
- 積立の継続はドルコスト平均法で平均取得価格を下げるチャンスになる。
- 新NISAでの損切りは非課税枠を無駄にし、損益通算もできないため不利。
- 過去の暴落は数年で回復した事例がある。今の下落が異常とは限らない。
オルカンで含み損が出たらどうする?結論から解説

オルカンで含み損が出ても、長期の積立が前提なら基本はホールド、積立継続でいい。
私自身、新NISAでオルカンを積み立てているが、評価額が赤字になった月は普通にある。最初は落ち着かなかった。でも売らずに続けている。
理由はシンプルで、オルカンは全世界の株にまとめて分散投資する商品だから。世界経済が長期で成長する限り、一時的な下げは通過点になりやすい。
結論:長期の積立なら慌てて売らない
「オルカン 含み損 どうする」の答えは、まず何もしないこと。売却ボタンを押す前に一呼吸置く。
含み損はまだ確定していない損。売って初めて損が確定する。逆に言えば、売らなければ回復の余地を残せる。
含み損とマイナスの意味を平易に整理
含み損とは、買ったときより今の評価額が下がっていて、まだ売っていない状態のマイナスのこと。
アプリで見る「-3.2%」のような赤字表示がこれにあたる。売れば「確定損」、持ち続ければ「含み損」のまま。ここが違う。
オルカンのマイナスとは、要するに評価額が取得額を下回っている状態を指す。深刻に聞こえるが、値動きのある商品では日常的に起きる。
オルカンで含み損が発生する仕組み
オルカンの含み損は、投資先の株価が下がったか、円高が進んだか、その両方で起きる。
ここを切り分けて理解しておくと、値動きを見ても無駄に慌てなくなる。私が一番役に立ったと感じた考え方だ。
株価下落による下落と為替変動による下落の切り分け
オルカンの基準価額は「投資先の株価」×「為替レート」でざっくり決まる。
つまり、世界の株が下がっても基準価額は下がるし、株が横ばいでも円高が進めば基準価額は下がる。逆も同じ。
ニュースで「米国株が下落」と聞いても、その日オルカンがどう動いたかは為替次第で変わる。片方だけ見て判断しないほうがいい。
円高・円安が基準価額に与える影響
円安はオルカンの基準価額を押し上げ、円高は押し下げる。
オルカンは主に外貨建ての資産を持っている。ドルなどの外貨で持っている資産を円に換算するとき、円安なら円での価値が増え、円高なら減る。
| 為替の動き | 円換算した資産価値 | 基準価額への影響 |
|---|---|---|
| 円安(例:1ドル140→150円) | 増える | 押し上げ |
| 円高(例:1ドル150→140円) | 減る | 押し下げ |
だから、株が上がっていても円高が強ければ含み損になることがある。「株は好調なのになぜマイナス?」の正体はこれが多い。
為替ヘッジなしのオルカンで押さえるべき点
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は為替ヘッジなしの商品。だから為替の影響をそのまま受ける。
為替ヘッジとは、為替変動の影響を抑える仕組みのこと。ヘッジなしは、その分コストがかからない代わりに、円高では基準価額が下がりやすい。
これは欠点ではなく、商品の性格だ。円安のときは追い風になる。ヘッジなしを選んでいる以上、為替の上下は受け入れる前提で持つ。
含み損を抱えたときに取るべき行動
含み損を抱えたときの基本行動は、狼狽売りを避け、積立を止めず、余裕があれば買い増しを検討すること。
順番に見ていく。実際に含み損の月を何度も経験したうえで、私が続けている対応だ。
狼狽売りを避ける考え方
下落局面での一番の失敗は、怖くなって底値付近で売ってしまうこと。
狼狽売りは、含み損を確定損に変える行為だ。そして売った直後に反発すると、二重に悔しい。実際、暴落は回復もセットで来ることが多い。
下げているときこそ、口座を開く回数を減らすくらいがちょうどいい。見なければ売りたくもならない。
積立を継続するメリット
積立の継続は、価格が下がっているときほど有利に働く。
毎月同じ金額を買うと、価格が安いときは多くの口数を、高いときは少ない口数を買う。これがドルコスト平均法。含み損の局面は、安く多く仕込める時間帯でもある。
正直、下げているときに積立を止めたくなる気持ちは分かる。でも止めると、安く買える一番おいしい部分を逃すことになる。
買い増しをするかの判断基準
買い増しは「生活防衛資金があり、当面使わないお金の範囲」でだけ検討する。
- 生活費の半年〜1年分は現金で確保できている。
- 10年以上使う予定のないお金である。
- 下がっても淡々と持ち続けられる金額に収まっている。
この3つを満たさないなら、無理に買い増さず、いつもの積立を続けるだけでいい。借金や生活費を削っての買い増しは勧めない。
損切りすべきかホールドすべきかの判断基準

長期の積立でオルカンを持つなら、含み損での損切りは基本的に不要。ホールドが合理的だ。
ただし、全員にホールドが正解とは言わない。目的やお金の性質で判断が変わる。
長期投資では含み損は一時的になりやすい
全世界の株に分散するオルカンは、世界経済が長期で成長する前提に乗った商品。
個別株なら倒産で価値がゼロになることもある。でもオルカンは数千銘柄に分散していて、どこか一国が沈んでも別の国が支える構造だ。含み損が一時的にとどまりやすいのはこのため。
複利効果とドルコスト平均法の関係
含み損の時期に積み立てた分は、平均取得価格を下げ、回復後の複利の土台になる。
複利効果とは、利益がさらに利益を生む雪だるまのこと。安く買った口数が多いほど、価格が戻ったときの伸びは大きくなる。含み損の期間は、この土台を厚くする時間だと捉えている。
損切りが向く人・向かない人
| タイプ | 判断の目安 |
|---|---|
| ホールド向き | 10年以上使わない資金で積み立てている人 |
| ホールド向き | 値動きに動揺せず放置できる人 |
| 損切り検討 | 1〜2年内に使う予定のお金を入れてしまった人 |
| 損切り検討 | 含み損で夜も眠れないほど精神的に消耗する人 |
損切りは「相場が悪いから」ではなく「そのお金の使う時期が近い」「持ち続けると生活が壊れる」ときの選択肢だと考えている。相場を理由にした損切りは、たいてい後で後悔する。
過去の暴落局面から見る下落率と回復までの期間
過去の大きな暴落では株価が大きく下げたが、その後に回復した局面がある。
今の含み損が「異常か普通か」を判断する材料として、過去の下げ幅を知っておくと落ち着ける。
コロナショック時の値動きと回復
2020年のコロナショックでは世界の株価が急落したが、その後おおむね1年以内に高値を回復する速い戻りを見せた。
当時は数週間で急落したため、リアルタイムでは相当に怖かった。ただ、慌てて売った人よりも、積立を続けた人のほうが結果として報われた局面だった。
リーマンショック時の下落と回復
2008年のリーマンショックは下落も深く、回復に数年を要した局面だった。
コロナのように短期で戻るとは限らない、という現実がここにある。だからこそ「10年以上使わないお金で持つ」という前提が効いてくる。回復に時間がかかっても待てる資金でやることが肝心だ。
高値掴み別に見る含み損の発生パターン
| 買い方 | 含み損の出方 | 基本の対処 |
|---|---|---|
| 高値でまとめて一括購入 | 下落幅が大きく出やすい | 回復まで待つ。狼狽売りしない |
| 毎月の積立 | 平均取得価格が均され緩やか | 積立を継続する |
| 下落中に少しずつ買い増し | 平均取得価格が下がる | 余裕資金の範囲で継続 |
一括で高値掴みした人ほど含み損は深く見える。それでも、時間を味方にできるなら取り崩さず待つのが基本だ。
新NISAで含み損を抱えた場合の注意点
新NISAで含み損を損切りすると、非課税枠を無駄にし、損益通算もできないため二重に不利になる。
ここは税金の仕組みが絡むので、慌てて売る前に必ず押さえてほしい。
非課税枠と含み損の扱い
新NISAで買った商品を含み損で売ると、その枠は「使った」扱いになり、売却で復活する枠は翌年まで戻らない。
つまり、安値で売れば損を確定するうえに、非課税で運用できるはずだった枠までもったいなく使ってしまう。回復を待てるなら、持ち続けるほうが枠を活かせる。
損益通算ができない点への注意
新NISA口座の損失は、課税口座の利益と相殺する「損益通算」ができない。
通常の課税口座なら、損失を他の利益とぶつけて税金を減らせる。でもNISAは非課税が前提のため、そもそも損失が税務上「なかったこと」になる。だからNISAでの損切りは、税制上のメリットがゼロだ。
含み損との心理的な向き合い方

含み損と長く付き合うコツは、値動きを見すぎないこと。これに尽きる。
仕組みを理解しても、赤字表示を毎日見れば人は動揺する。私も例外ではなかった。
値動きを確認しすぎない運用スタンス
下落局面では、口座を開く頻度を意図的に減らすのが効く。
毎日チェックすると、下げた日の不安だけが積み上がる。積立は自動で走っているので、放っておいても買付は進む。私は下げている時期ほどアプリを開かないようにしている。
一喜一憂しないための考え方
日々の上下は「ノイズ」、10年後の資産形成が「本番」と割り切る。
今日の-2%は、10年後に振り返ればほぼ意味のない揺れであることが多い。値動きに一喜一憂して売買を繰り返すほうが、長期リターンを削りやすい。淡々と続ける人が、結局いちばん報われている印象だ。
オルカンと他の投資信託を含み損局面で比較
含み損の局面では、オルカンはS&P500や全米株式より分散が広い分、値動きが相対的にマイルドになりやすい。
どれが優れているという話ではなく、性格の違いとして知っておくと選びやすい。
S&P500・全米株式との違い
| 商品 | 投資対象 | 分散の広さ |
|---|---|---|
| オルカン(全世界株式) | 先進国・新興国を含む全世界の株 | 最も広い |
| S&P500 | 米国の主要500銘柄 | 米国に集中 |
| 全米株式 | 米国株ほぼ全体 | 米国に集中 |
S&P500や全米株式は、米国が強い時期はオルカンより伸びやすい。一方で米国が崩れると、そのぶん下げも大きく出やすい。
分散の広さが含み損に与える影響
分散が広いほど、特定の国の急落が全体に与える打撃は薄まる。
オルカンは米国に強く依存しつつも、他国も組み入れている。だから「米国だけが崩れる」ような局面では、含み損の深さがやや抑えられやすい。
正直、平常時のリターン差は大きくない。私は「どこが伸びるか当てられないから全世界」という理由でオルカンを選んでいる。当てにいく自信がある人はS&P500でもいい。ここは好みの範囲だ。
